最速で特許を取る方法について解説【早期審査、スーパー早期審査】

2019年2月15日

自称ネオヒルズ族系弁理士である私に任せれば、特許なんて秒速で取れますよ。。

 

 

嘘です。

秒速で特許を取ることはできません。

以下では、秒速とまではいきませんが、最速で特許権を取得するための制度である早期審査、スーパー早期審査について紹介します。

1.早期審査

早期審査・早期審理制度は、一定の要件の下、出願人からの申請を受けて審査・審理を通常に比べて早く行う制度です。

特許庁

通常は、出願審査請求をしてから約9〜10ヶ月で審査結果を受け取ることができます。

これに対して、早期審査を利用した場合には、早期審査を申請してから平均3ヶ月以内に審査結果を受け取ることができます。

このため、早期審査を利用することで、通常よりも約6〜7ヶ月以上早く特許を得ることができます。

なお、そもそも通常の特許出願の流れがよくわかっていない?という方は、以下の記事を参照してみて下さい。

1-1.早期審査の対象になる出願

早期審査の対象は、以下の出願に限られています。

  • 実施関連出願
  • 外国関連出願
  • 中小企業、個人、大学、公的研究機関等の出願
  • グリーン関連出願
  • 震災復興支援関連出願
  • アジア拠点化推進法関連出願

各出願の定義及び早期審査制度の詳細についてはこちらを参照して下さい。

1-2.早期審査を受けるためのハードルは低め

ここで注目するのは、実施関連出願です。

実施関連出願は、出願人等がその発明を実施している特許出願ですが、2年以内に実施予定の場合も実施関連出願に該当します。

今は実施していなくても2年以内に実施予定である場合には、早期審査を受けることができるということです。

このため、早期審査を受けるためのハードルは低く、多くの出願人が早期審査を利用することができると言えます。

1-3.早期審査を受けるための手続き及び費用

早期審査を受けるためには、早期審査に関する事情説明書を作成し、特許庁に提出する必要があります。

早期審査に関する事情説明書には、先行技術の開示の際の先行技術調査及び対比説明等を原則として記載する必要があります。このため、弁理士等の代理人を使っている場合には、早期審査に関する事情説明書の作成及び提出するための代理人費用が必要です。

一方、早期審査の申請に際して、特許庁に支払う手数料は無料です。

審査を受けるために必要な通常の出願審査請求料を支払えば、早期審査を受けるために特許庁に追加の手数料を支払う必要はありません。

2.スーパー早期審査

スーパー早期審査は、通常の早期審査よりも更に早期に審査を行うことができる制度です。

スーパー早期審査という名前が直球ストレートでカッコいいですね。

スーパー早期審査を利用した場合には、スーパ早期審査の申請から約1~2か月以内に審査結果を受け取ることができます。

特許行政年次報告書2017年版によると、2016年は、スーパー早期審査の申請から、平均 0.7 ヶ月(国内移行した出願については平均 1.4 月)で審査結果が通知されたそうです。

早期審査を申請してから平均3ヶ月以内に審査結果を受け取ることができるという早期審査でも十分早いと思うのですが、より早く、文字通り「最速で」特許を受けたい場合には、スーパー早期審査の利用を検討してみてください。

2-1.スーパ早期審査の対象になる出願

スーパ早期審査の対象は、以下の出願に限られています。

  • 「実施関連出願」かつ「外国関連出願」である出願
  • 「実施関連出願」かつ「ベンチャー企業による出願」である出願

各出願の定義及びスーパ早期審査制度の詳細についてはこちらを参照して下さい。ちなみに、「実施関連出願」「外国関連出願」の定義は、早期審査のものと同じです。

2-2.「ベンチャー企業による出願」に該当するかチェック

外国関連出願に該当するためには、高額の費用が必要となる外国出願をする必要があり、ハードルは高めです。

そこで、ここでは「ベンチャー企業による出願」に注目します。

「ベンチャー企業による出願」とは、出願人の全部又は一部が次の(i)から(iii)までのいずれかに該当するものです。
(i)その事業を開始した日以後10年を経過していない個人事業主
(ii)常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者にあっては5人)以下で設立後10年を経過しておらず、かつ、他の法人に支配されていない法人*
(iii)資本金の額又は出資の総額が3億円以下で設立後10年を経過しておらず、かつ、他の法人に支配されていない法人*
*他の法人に支配されていないこととは以下の a.及び b.に該当していることを指します。
a.申請人以外の単独の法人が株式総数又は出資総額の 1/2 以上の株式又は出資金を有していないこと
b.申請人以外の複数の法人が株式総数又は出資総額の 2/3 以上の株式又は出資金を有していないこと

特許庁審査第一部調整課、「スーパー早期審査の手続について 」

上記の「ベンチャー企業による出願」に該当することは、比較的多いのではないでしょうか。

スーパー早期審査を利用して、文字通り「最速で」特許を受けたい場合には、上記の「ベンチャー企業による出願」に該当するか検討してみてください。

2-3.スーパー早期審査を受けるための手続き及び費用

スーパー早期審査を受けるための手続き及び費用は、早期審査を受けるための手続き及び費用と同様です。

早期審査と同様に、スーパー早期審査の申請に際して、特許庁に支払う手数料は無料です。

3.早期審査、スーパー早期審査のデメリット

早期審査、スーパー早期審査を利用すると、早期に特許権を得ることができますが、これは裏を返せば、特許出願が特許庁に係属している期間が短くなるということです。

このため、早期審査、スーパー早期審査を利用すると、優先権主張出願により発明の内容を補充することができる期間や、特許請求の範囲を適宜補正する期間が短くなってしまうというデメリットがあります。

早期審査、スーパー早期審査を利用する場合には、これらのデメリットを受け入れることができるかについても検討するとよいでしょう。

4.まとめ

早期審査、スーパー早期審査を利用することで、最速で特許権による保護を受けることができます。

発明についていち早く特許権による保護を受ける必要がある場合には、早期審査、スーパー早期審査を利用してみて下さいね。

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