特許文献(公開特許公報)の読み方のコツを弁理士が解説

2019年2月13日

特許調査等のために、特許文献(公開特許公報)を読む必要があるけれど、複雑すぎて何が書いてあるのかわからない。特許って難しい。。

初めて特許文献を読まれる方は、そのように感じることが多いのではないでしょうか。

以下では、特許文献を読むコツについて、普段から大量の特許文献を読み書きしている弁理士が解説します。

以下の記事を読むことで、特許文献を読む負担を軽減することができるでしょう。

1.特許文献を1ページ目から順に読むのは茨の道

ある文書が与えられたとき、その文書の最初のページから順に読んでいく方が多いのではないでしょうか。

特許文献の1ページ目には要約書が記載されています。このため、特許文献を手にすると要約書が目に入るはずです。

要約書とは、発明又は考案の概要を平易な文章で簡潔に記載した要約と、選択図によって構成されたものであり、その発明や考案の要点を速やかにかつ的確に理解できるように記載したものです。

特許庁、「要約書作成のポイント」、平成29年度

このため、本来であれば、要約書を読むと発明の要点をさっと理解することができるはずです。しかし、要約書を実際に読んでみると、「なんだかよくわからない?」と思われる方が多いのではないでしょうか。

これは、実務上、要約書は、特許請求の範囲の記載をコピー&ペーストした記載となっていることが多いためです。特許請求の範囲は、発明を定義する権利書となる部分であり、発明が抽象的に記載されています。このため、要約書もわかりづらいことが多いのです。

なんだかわからないまま、2ページ目に進むと、特許請求の範囲の本体が記載されています。しかし、特許請求の範囲では、先に述べたように、わかりやすさとは無縁の世界が広がっています。

このため、特許文献を1ページ目から順に読もうとすると、多くの人は、2ページ目でノックアウトされるのではないでしょうか。

それでは、特許文献をどのように読んでいけば良いのでしょうか。

2.特許文献の読み方のコツ

最初に目を通すことをおすすめするのは、

  • 図面
  • 【発明が解決しようとする課題】【発明の効果】の欄

です。

2一1.図面

まずは、図面に目を通しましょう。

図面を見たときに取得することができる単位時間あたりの情報量は、文字よりも多いです。このため、図面を見ることで、効率的に情報を取得することができます。

また、図面には発明の全体を表す図が含まれていることが多いです。このため、図面を見ることで、発明の全体像を把握することができます。

発明の全体像を把握せずに特許文献を1から読むのは、地図を持たずに迷路に突入するようなものです。

最初に図面を見て発明及び明細書の全体像を把握することで、特許文献という迷路の中でも迷わずに進むことができるでしょう。

2一2.【発明が解決しようとする課題】【発明の効果】

つぎに、【発明が解決しようとする課題】【発明の効果】の欄を読み、文字通り、発明が解決しようとする課題と発明の効果を理解しましょう。

問題意識なく特許文献を読んでもなかなか頭に入ってこないものです。

【発明が解決しようとする課題】【発明の効果】を読むことで、発明は何をしようとしているものなのか?という問題意識を持つことができます。

その後、どのようにしてその課題を解決するのか、なぜその効果が得られるのかという問題意識を持ちながら、特許文献の他の記載を読んでいきましょう

問題意識を持ちながら特許文献を読むことで、受け身にならずに能動的に特許文献に接することができ、発明の内容が頭に入りやすくなります。

3.まとめ

  1. 図面をざっと眺めて発明の全体像をとらえましょう。
  2. 【発明が解決しようとする課題】【発明の効果】の欄に目を通して、この発明は何をしようとしているものなのかを把握しましょう。
  3. その後、どのようにしてその課題を解決するのか、なぜその効果が得られるのかという問題意識を持って、特許文献の他の記載を読んでいきましょう。

この記事が、お役に立ちましたら幸いです。

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