特許と実用新案の違いは?【どちらがおすすめなのかについても解説】

2019年2月9日

 

特許出願をしようと思って色々と調べていたら、実用新案という言葉を発見。なるほど、実用新案登録出願という方法もあるのか。そう言えば、お土産屋さんの店頭や通信販売の広告欄で、実用新案登録第〇〇〇〇〇〇という文字を見かけたことがあるぞ。

でも、実用新案ってなんだろう?特許と実用新案の違いはなんだろう?

以下では、特許権と実用新案権の違いについて説明します。また、特許出願と実用新案登録出願のどちらがおすすなのかについても説明します。

1.特許権と実用新案権の違い

特許権と実用新案権の違いは、以下のようになります。

  特許権 実用新案権
保護対象 物・方法
求められる進歩性 高い 低い
審査の有無 審査あり 審査なし
保護期間 20年 10年
コスト 高い 安い
権利行使 できる  難しい

この中で、特許権と実用新案権を分ける最も大きな違いは、上記の表の赤字の部分です。

2.実用新案権では権利行使できない?!

結論から言うと、実用新案権で権利行使するのは難しいです。

2-1.理由1

第十四条の二 実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正を一回に限りすることができる。(以下、省略)

実用新案登録請求の範囲を適切に訂正して無効理由を解消する機会が1回しかありません。このため、比較的簡単に実用新案登録は無効にされてしまう可能性があります

2-2.理由2

第二十九条の三 実用新案権者又は専用実施権者が侵害者等に対しその権利を行使し、又はその警告をした場合において、実用新案登録を無効にすべき旨の審決(第三十七条第一項第六号に掲げる理由によるものを除く。)が確定したときは、その者は、その権利の行使又はその警告により相手方に与えた損害を賠償する責めに任ずる。(以下、省略)

ざっくり言うと、実用新案権者は、差止請求、損害賠償請求に失敗したら、逆に損害賠償の責任を負います

このため、実用新案権者は安易に権利行使をすることができません。

2-3.なんのために権利を取得するのか

多額の費用をかけて特許権、実用新案権等の知的財産権を取得するのは、第一に、他人の模倣を排除するためです。

他人の模倣を排除するという知的財産権として最も大切なことができない実用新案権は、残念な権利であると言えます。

このため、他人の模倣を排除することができるきちんとした権利が必要な場合には、特許出願をして特許権を取得することをおすすめします。

3.実用新案登録出願のメリット

それでは、実用新案登録出願にメリットは全くないのでしょうか?

実用新案登録出願には審査がありません。このため、実用新案に新規性及び進歩性がなくても、実用新案登録出願をするだけで、実用新案権を取得することができます

既に発表、実施等をしているため新規性及び進歩性はないけれど、宣伝広告等の目的や大人の事情で、何らかの権利が欲しいというのはよくあることです。宣伝広告等の目的とは、例えば、製品のカタログに実用新案登録第〇〇〇〇〇〇という表示をしたい場合です。

このような場合には、実用新案登録出願をするメリットがあります。

4.まとめ

特許出願をおすすめします。

新規性及び進歩性がないため特許権を取得することは難しそうだけれど、宣伝広告等の目的や大人の事情で、形式的でもよいのでなんらかの権利が欲しい場合には、実用新案登録出願をしてもよいでしょう。

-特許

Copyright© パパっとパテント , 2020 All Rights Reserved.