自分の名前、名称、会社名、法人名が商標登録出願、商標登録されていた場合の対処方法について

2021年7月7日

ネットを徘徊していたら、たまたま自分の名前、名称、会社名、法人名が商標登録登録出願、商標登録されていることを発見。

あれっ?!何か嫌な予感が。。ひょっとして、今後、ビジネスで自分の名前、名称、会社名、法人名を使えなくなるのかな!?

このような方がいらっしゃるのではないでしょうか?

以下、自分の名前、名称(≒会社名、法人名)が商標登録出願、商標登録されていた場合の対処方法について説明します。

1.商標法26条1項により自分の名前、名称の使用は可能

仮に、自分の名前、名称について商標登録されたとしても、原則として、自分の名前、名称を使用することが認められています(商標法26条1項1号)

第二十六条 商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
一 自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標
(略)

しかし、不正競争の目的がある場合には、自分の名前、名称を使用することはできませんので注意してください(商標法26条2項)

このため、後述する登録異議の申立て又は無効審判の請求により商標登録を取り消し又は無効にしなくても、自分の名前、名称の使用は継続して行うことができます

2.商標法4条1項8号違反の可能性

商標登録を受けようとする商標が、他人の氏名、名称等を含む場合には、その他人の承諾を得る必要があります(商標法4条1項8号)。

(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
(略)
八 他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)
(略)

その他人の承諾を得ることができない場合には、商標法4条1項8号の拒絶理由、異議理由、無効理由に該当することになります。

このため、自分の名前、名称が商標登録出願、商標登録されていた場合であって、何ら承諾をしていない場合には、その商標登録出願及びその商標登録は、商標法4条1項8号の拒絶理由、異議理由、無効理由を有する可能性があります。

3.商標登録の阻止、取り消し又は無効化

商標法4条1項8号の拒絶理由、異議理由、無効理由を主張して、商標登録の阻止、取り消し又は無効化するためには、どうすればよいのでしょうか。

以下に述べるように、出願段階であり権利化前である場合には「情報提供」をすることができます。一方、権利化後である場合には「登録異議の申立て又は無効審判の請求」をすることができます。

(1)情報提供

自分の名前、名称についての商標登録出願が特許庁に係属中であり、まだ、その商標登録出願について登録査定が出ていない場合には、特許庁に情報提供をして、その商標登録出願が商標法4条1項8号の拒絶理由を有することを主張することができます。

これにより、自分の名前、名称についての商標登録を阻止することができます。

(2)登録異議の申立て又は無効審判の請求

自分の名前、名称についての商標登録出願について登録査定が既に出ている場合には、特許庁に商標登録異議の申し立て又は無効審判の請求をして、その登録商標が商標法4条1項8号の異議理由、無効理由を有することを主張することができます。

これにより、自分の名前、名称についての商標登録を取り消し又は無効にすることができます。

登録異議の申立ては、商標掲載公報の発行の日から2月以内にすることができます。

3.まとめ

自分の名前、名称、会社名、法人名が商標登録登録出願、商標登録されていたとしても、商標法26条1項により自分の名前、名称の使用は可能です。

もし、積極的に、商標登録の阻止、取り消し又は無効化をしたい場合には、情報提供、登録異議の申立て又は無効審判の請求をして、商標法4条1項8号の拒絶理由、異議理由、無効理由を主張することができます。

この記事がご参考になりましたら幸いです。

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