特29条1項柱書違反の拒絶理由の解消方法【主体を追加してもダメ?】

2019年12月10日

ソフトウェア関連発明について特許出願をすると、「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当しないとして、方法の発明について、特許法第29条1項柱書違反の拒絶理由が通知されることがあります。

以下、方法の発明について通知された特許法29条1項柱書違反の拒絶理由の解消方法について説明します。

1.主体を追加すれば大体OK

コンピュータソフトウエア関連発明に係る審査基準」に色々と難しいことが書いてあるのですが、結論としては、各ステップの動作主体を明確にすれば大体OKです。

1-1.具体例

例えば、以下の方法の発明に特許法29条1項柱書違反の拒絶理由が通知されたとします。

入力されたデータを公開鍵で暗号化することで暗号化データを得る暗号ステップと、
前記暗号化データを送信する送信ステップと、
を含む暗号化方法。

この場合、例えば以下のように補正をすることで、特許法29条1項柱書違反の拒絶理由を解消することができます。赤字の部分が補正により追記した部分です。

暗号化部が、入力されたデータを公開鍵で暗号化することで暗号化データを得る暗号ステップと、
送信部が、前記暗号化データを送信する送信ステップと、
を含む暗号化方法。

このように、暗号化部及び送信部というハードウェアが各ステップの処理を行うことを明確にすると、「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」と言えるため、「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当することになると考えられます。

2.主体がハードウェアであることを明確にすればOK

私の経験上、上記の主体を追加する補正をすれば、95%位の確率で、特許法29条1項柱書違反の拒絶理由を解消することができます。

しかし、稀に、この主体を追加する補正をしても、特許法29条1項柱書違反の拒絶理由を解消することができない場合があります。

審査官によると、その主体(上記の例だと「暗号化部」「送信部」)が必ずしもハードウェアであるとは限らないので、「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」とは言えないため、「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当しないと考えるそうです。

この場合、例えば、主体がハードウェアであることを明確にする補正をすれば、特許法29条1項柱書違反の拒絶理由を解消することができます

2-1.具体例

上記の具体例の場合だと、例えば、以下のように補正をすることができるのではないでしょうか。赤字の部分が補正により追記した部分です。

暗号化部及び送信部がコンピュータにより実装されるとして、
前記暗号化部が、入力されたデータを公開鍵で暗号化することで暗号化データを得る暗号ステップと、
前記送信部が、前記暗号化データを送信する送信ステップと、
を含む暗号化方法。

主体がハードウェアであることを明確にできれば他の補正でもOKです。

3.結語

以上、方法の発明について通知された特許法29条1項柱書違反の拒絶理由の解消方法について説明いたしました。

ご参考になりましたら幸いです。

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