素晴らしく画期的な発明が完成した!
発明について万全の保護を受けるために、この発明の実施製品だけではなく、この発明の根幹となる定理、数式、原理についてもできれば保護を受けたいです!
定理、数式、原理について特許を取ることはできますか?
発明相談をしていて、このような質問を受けることがあります。
以下、発明の根幹となる定理、数式、原理について特許を取ることができるかどうかについて説明します。
1.物又は方法として表現すれば特許を取ることが可能
特許法で保護が認められる発明は、物の発明又は方法の発明に限られています(特許法2条3項)。
このため、定理、数式、原理については、物又は方法として表現することにより、特許を取ることになります。
以下、定理、数式、原理を、物又は方法として表現する例について説明します。
2.具体例
2-1.数式を物として表現する例
発明の根幹となるアイデアが、「y=f(x)という数式により符号yを求めること」であるとします。
この場合、この数式を物(符号化装置)として表現すると例えば以下のようになります。
【請求項1】 xが記憶されている記憶部と、 前記記憶部から読み込んだxを用いて、符号y=f(x)を計算する計算部と、 を含む符号化装置。
2-2.原理を方法として表現する例
発明の根幹となる原理が、「xの値が大きいほど大きいyの値を選択すること」であるとします。
この場合、この原理を方法(選択方法)として表現すると例えば以下のようになります。
【請求項1】 取得部が、xを取得する取得ステップと、 選択部が、前記取得されたxの値が大きいほど大きいyの値を選択する選択ステップと、 を含む選択方法。
3.具体的にどのように物又は方法として表現するかはケースバイケース
定理、数式、原理を具体的にどのようにして物又は方法として表現するのかは、ケースバイケースです。
どのようにして物又は方法として表現するのかは、例えば以下の要素に影響を受けます。
- 定理、数式、原理の具体的な内容
- 背景技術
- 技術分野
- ソフトウェア関連発明であるかどうか
また、担当する弁理士によって、その表現の仕方は異なるでしょう。
このため、一番しっくりくる弁理士に、特許明細書の作成を依頼することをおすすめします。
なお、弊所では、特許請求の範囲(クレーム)の無料作成サービスを行なっていますので、ご利用いただければ幸いです。
無料で作成する特許請求の範囲(クレーム)で、依頼者様の発明の根幹となる定理、数式、原理をどのように物又は方法として落とし込むのかイメージをつかんで頂ければ幸いです。
4.まとめ
特許法で保護が認められる発明は、物の発明又は方法の発明に限られています。
このため、定理、数式、原理については、物又は方法として表現することにより、特許を取ることになります。
ご参考になりましたら幸いです。