2019年4月1日に新元号が発表されますね。

あれ?新元号が発表されたら、いち早く新元号について商標登録すれば、一儲けできるんじゃないかな?

そんなことを考えている方、結構いるんじゃないでしょうか。

以下では、元号について商標登録できるかどうかについて、具体例を挙げながら解説してゆきます。

1.元号について商標登録は原則不可

結論から言うと、原則として、元号について商標登録を受けることはできません。元号には、識別力がないと考えられるためです。

商標が、元号として認識されるにすぎない場合は、本号に該当すると判断する。

商標審査基準にも、このように明文化されています。

しかし、元号を含む商標について商標登録が認められる場合もあります。

2.例外的に元号について商標登録される場合

  • 元号を含む商標が全体として識別力を有する場合
  • 元号を含む商標が使用された結果識別力を有する場合

には、例外的に元号について商標登録されることがあります。

以下、それぞれの場合について、説明します。

2-1.元号を含む商標が全体として識別力を有する場合

元号を含む商標が、識別力を有する部分を有することにより全体として識別力を有する場合には、商標登録が認めれることがあります。

具体例1

登録5262796の登録商標です。

この場合は、「楽市楽座」の部分が識別力を有するため、商標全体として識別力があると考えられます。

具体例2

登録5889395の登録商標です。

この場合は、元号「平成」をアルファベット表記した「HEiSEi」にロゴが付与されており、商標全体として識別力があると考えられます。

2-2.元号を含む商標が使用された結果識別力を有する場合

元号を含む商標が、使用された結果識別力を有することになった場合にも、商標登録が認められることがあります。

具体例3

登録496702の登録商標です。

「明治」は元号そのものですので、本来であれば商標登録を受けることはできません。

しかし、皆さんご存知のように、「明治」という商標がお菓子に使われていれば、そのお菓子の出所は、明治ホールディングス株式会社であるとわかります。

この「明治」という商標は、使用された結果識別力を有するものになったため、商標登録が認められています。

余談ですが、使用により識別力を有する商標になったことの証明は、大変みたいです。噂だと、証明するための書類を段ボール箱何箱分も提出する必要があるとかないとか。。

3.元号を含む商標について商標登録を受けた場合には、商標権の効力はどうなるの?

あれ?結局、元号ついて商標登録が認められることがあるのであれば、やはり一儲けできるチャンスがあるのでは??

残念ですが、商標的使用ではない単なる元号の使用には商標権の効力は及ばないと解されます。

元号の商標登録で一儲けするのは無理なのでおすすめしません。

4.まとめ

原則として、元号について商標登録を受けることはできません。

しかし、元号を含む商標が全体として識別力を有する例外的な場合には、商標登録を受けることができる場合もあります。

もし、会社名に元号が含まれる等の事情により、元号について商標登録する必要がある場合には、例えば上記の具体例のように元号を含む商標が全体として識別力を有する場合には商標登録が認められることがありますので参考にしてみて下さいね。